大規模修繕工事の過大評価は止めよう!

大規模修繕工事のコンサルティングに15年以上関わってきましたが、消費者である皆様と我々専門家の間には少なからぬ温度差があります。マンションの所有者は資産の不動産価値が下がらないようにと懸命に考える訳ですが、不動産価値は建物そのものよりも土地の価値や環境に左右される傾向が強く、残念ながら大規模修繕工事に高額の費用をかけても、資産価値は、あまり上がりません。必要最低限の保守をしておけば十分といえます。

それでは必要最低限の保守の中身とは?ということになりますが、極論すれば、20年程度、何もしなくてもたいした機能低下は起こりません。もちろん、鉄部塗装や外壁塗装等、適宜塗り替えを必要とする工事内容もありますが、所詮、建物の安全性に関わるような不具合ではありません。

マンションの大規模修繕工事は人に例えると、女性用のエステのような工事なので、資金をつぎ込むのは自由ですが、費用対効果もよく考えなければなりません。家計を苦しくしてまでやる価値のある工事なのか?と言えば、答えはノー!です。管理組合の財政状態を考えながら実施すべき工事と言えます。

理想的には12~13年間隔で実施するべきかと思いますが、工事内容を良く吟味して緊急度の高くない工事項目を除外していけば、考えなしに計画する工事の60%~70%の費用で十分な工事が可能です。詳細については専門家と相談しながら計画すべきですが、工事を勧める立場の人達は組合の節約志向よりも自社の売り上げ向上を大切にすることを知っておきましょう。

大規模修繕工事を過大評価してはいけません!
自分の資産は自分でしっかり守りましょう!
費用対効果の高い工事を目指しましょう!!!

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