大規模修繕工事費の無駄を徹底的に追求することにより、最近はローコスト修繕にかなりの効果が上がってきた。
今年の春実施した60戸マンションの入札では、8社の入札参加があったが、工事金額の提示は真っ二つに別れ、5000万円に近いグループと4000万円に近いグループの二派に分かれたのだ。内定した業者の提示金額は3800万円弱となったが、その時に管理会社が提示した金額は4800万円強であった。比率にして約3割程高い結果であった。
また、現在進行中の90戸マンションの入札では、7社の入札参加があり、最安値が約4000万円で最高値が管理会社提示の約6000万円であった。つまり管理会社は最安値の5割増の金額を提示したことになる。マンションの規模から考えれば、6000万円でも健闘していると言えなくもないが、管理会社以外の6社は全て5000万円を下回っているのだ。
つまり、型どおりの修繕工事メニューで計画した場合は、管理会社が提示したような金額が出てくる可能性が高いが、当方のように無駄な工事を排除して、必要最低限の工事メニューを追及していけば、巷で行われているような工事を大きく下回る工事が期待できるということである。
もちろん、建物の設計内容・施工内容によっても結果は違ってくるが、比較的シンプルな形状で、そこそこの規模があれば巷では信じられないような工事金額も期待できるということなのである。
残念ながら、管理会社にはそういったノーハウはない。何故なら彼等の目的の大きな部分を占めるのが自社利益であり、消費者目線で工事計画を組む姿勢が欠落しているからである。