大規模修繕工事の際に更新される工事項目の一つに外壁のシーリングがあります。
一般的には外壁シーリングの更新は不可欠とされておりますが、建物の外装材の種類によっては、シーリング材の意味に大きな差があります。
ケース① 外壁が塗装仕上げの場合
このケースでは、外壁目地のシーリングは重要で、
コンクリート躯体を守る意味でもシーリングの更新
は必要です。
ケース② 外壁がタイル貼り仕上げの場合
問題はこのケースで、外壁仕上げがタイル貼りの
場合は竪目地にせよ、水平目地にせよ、シーリン
グを打ってある箇所がコンクリート躯体の打ち継ぎ
目地とは同一箇所でない場合が多く、シーリング
を打っている意味が本来の用途とは違っています。
躯体を守る意味よりも意匠目的の意味が強いため
シーリング材そのものが劣化していても大勢に影
響なしともいえるのです。
以上のことから、大規模修繕工事を実施する際、タイル貼りのマンションに限って言えば、予算が充分でなければ、シーリング工事をやらない選択肢もあるということを頭の片隅においておけば、仮設足場を必ずかけなければならないという考えからは自由になることもできます。