管理会社の役割

管理組合の業務は、区分所有者にとっては面倒な仕事です。一般的には区分所有者のボランティア活動によってまかなわれますが、内容によっては、管理会社等に費用を支払って委託されることになります。持ち回り等の選定方法により任命された理事会メンバーにとって、雑務を処理してくれる管理会社はありがたい存在でありますが、最近、管理会社の費用と業務内容が問題となることがあります。

何が問題かというと、そもそも管理会社に支払う業務費用の内容がクリアーでないことに大きな要因があります。例えば、清掃業務の内容は、週に何回、どのような方法でどの部分を清掃するのか・・・など、業務内容の詳細が詳しく明記されていないことが多く、依頼している業務費用の妥当性がハッキリしない傾向にあります。そのため、全体費用の値下げ交渉をしようと思っても、交渉のスタートラインがハッキリせず、なんとなくこの程度なら下げられますという回答になりがちで、結果として業務内容の質の低下につながる場合もあります。

現実的な問題として、こういった業務を商いとしている管理会社自体が、コスト意識が少なく、過去を引きずった古いスタイルで業務をこなしている傾向が見られます。法律が変わり、管理会社から管理組合へ重要事項の説明義務が発生しましたが、こういった面倒くさい業務の内容を一つ一つ解析していくことは大変な労力を必要とします。

管理会社のクライアント(客)は誰ですか? と問えば、「管理組合です」という回答は戻ってきますが、残念ながら、販売会社系の管理会社が継続して業務を受けている場合は、往々にして、”管理会社のクライアントは親会社です” と回答しているような動きをする傾向も見られます。販売会社の子会社である管理会社が管理業務を委託している場合によくある傾向は、

①販売会社へのクレームがある場合に、親会社の利益を守るような動きをする
②施設の修繕工事を積極的に押し進めようとする(過剰診断)

望ましい管理業務とは、管理組合の財産を総合的に守る立場でアドヴァイスすることであると思いますが、残念ながら、そういった良心的な管理会社が少ないように感じられます。

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