最近、長期修繕計画の必要性が取り沙汰されることが増えてきました。
長期修繕計画は早いうちから立てておくにこしたことはありません。
しかし、築後10年位経ち、ボツボツ大規模修繕を視野に入れて検討しなくてはといった時期になって、ようやく「これは大変!」と本腰を入れて取り組み始めることが多いのではないでしょうか。日常の修繕や保全工事と違い、大規模修繕工事ともなるとかかる費用もとても大きくなってきます。
大規模修繕を行う際に、修繕積立金はどの程度まで使えるのか?
使い切ってしまっていいのか?
次にくる大規模修繕以降についてはどうするのか?
果たして残りの積立金あるいはそれから積み立てる積立金でまかなえるのか?
等々、目前の修繕とその先の修繕のことまで、いろいろ心配ごとは絶えません。
現在の各マンションの修繕積立金の平均は首都圏において、1戸につき¥9000/月 というのがおおよその数値のようです。
マンションの住戸タイプによって金額は違ってきますが、あくまでも平均値として考えれば年間の積立金は約10万円となります。
年間10万円の修繕積立金を10年続ければ、10年間で約100万円が蓄積することになります。
そこで考えてみたいのが、現行の大規模修繕工事の金額です。
大規模修繕にかかる費用はいったいどのくらいなのか?
一般的に大規模修繕工事を見積もってくださいと業者さんに依頼しますと、1戸につき、約100万円程度の金額が出てきます。もちろん規模その他の条件により費用は違ってきますが、おおよそで考えれば50戸のマンションでは、約5000万円の工事の見積りがあがってくることになります。
前述の修繕積立金のところで書いた金額とほぼ同じになるのですが、よく考える必要があるのです。
10年間で100万円積立できる計算にはなっていますが、10年間、全く修繕をしないという前提になりますので、これは考えられないことです。
また築後25年を過ぎると、設備関係もあちらこちらと修繕が必要になる事態が出てきます。
この金額は1戸につき100万円と説明した内容には含まれませんので、積立金の使い方を間違えれば長期的には資金不足に陥る可能性もあるわけです。
そこで考えたいのが、単なる修繕積立金の値上げではなくて、「無駄な工事をしない」ということです。
現在の首都圏での平均の積立金¥9000/1戸という数字は十分な数値とはいえませんが、いろいろ工夫すれば、やりようのある数字のようにも思います。
各々のマンションで独自の計画を立てて、いかに無駄のない費用で、いかに必要十分な工事をするか、という方向で検討すべきと思います。
興味がおありの方はご相談ください。