シーリング材の過信は危険

建物のあちらこちらには、シーリング材という漏水防止用の材料が使われています。建物本体のコンクリートの打ち継ぎ部分やアルミサッシ等の周囲の隙間部分や換気フード等の周囲の隙間を充填するためにシーリング材というゴム状の材料が使われます。施工当初は柔らかいので、隙間部分によく密着し効果がありますが、年数が経過するとともに、硬化が始まり、所定の年数を経過すると、徐々に止水効果が薄れてきます。

シーリングメーカーは、材料の種類によって、保証期間を7年~10年程度に設定していますが、建物の挙動の激しい箇所や施工精度が期待できない箇所では、保証期間以前に止水機能が期待できなくなることも多く、条件の悪い部位では、数ヶ月で止水機能が保持できなくなります。

設計の立場から考えれば、本来のシーリングの目的は二次的な効果として止水機能を期待する程度に考えておかないと、不具合が発生する可能性が高いと思われます。よって、大規模修繕工事の際に古くなったシーリング材を更新すれば、単純に漏水が止まると考えるのは正しくありません。

もともと隙間自体が動きやすい部分なので、必ず切れるものと考えて、漏水対策を考えるべきです。

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